コーポラティブハウス + craftwark(手仕事)=何が生まれるか??
今回の「根津のコーポラティブハウス」のコンセプトは "3つ" あります。
「cooperative(協調的)」×「uniqueness(唯一性)」× 「craftwork(手仕事)」
既存のコーポラティブハウスは、コンクリート打ち放しの壁面、ステンレスのキッチンなどクールでかっこいい!
と憧れの一面もあるのですが····どこか鉱質で冷たい印象があることも確かです。
そのクールな一面を残して、その中に人の手が入った温かみのある居住スペースを現実させることは可能か!
そんな欲張りな願望に「craftwork(手仕事)」のエッセンスを加えることで、手触り、表情、ぬくもりとった感覚的な部分へ訴えかける事が可能になると期待しています。
そこで今回
左官職人を求めて「株式会社ワイズファクトリー」さんへ訪問させて頂きました。
過去に手掛けられた作品に圧倒される。
過去に手掛けた作品やサンプルを元に様々なアイデアが湧き上がってきます。
(モルタル、ワークショップで作った左官玉など)
職人さんからも、こちらが想像していなかった様々な手法や提案がたくさん出てきました。
[塗り壁]
・珪藻土 ・漆喰 ・土壁
[伝統的左官]
・掻き落とし ・砂利洗い出し ・砥石 ・漆喰磨き
昔ながらの手法を現代に流用することができないか、といった提案も。
「見直されるべき技法であるのと共に伝承技術の継承にも寄与できる」
大人がたくさん集まって、まるで秘密基地を作るかのように互いの理想や発想についてニコニコ話しています。
イタリアの黒漆喰の磨き。「深みのある黒」その表情はまるで大理石のよう。
光沢があり高級感が出るので、エントランスなどのアクセントに使用すると面白そうです。
黒漆喰の磨き仕上げは、左官仕上げの中でも一番難しいとされる部類に入れる仕上げです。
その理由は、ムラなく漆黒に仕上げる技術の難易度、材料を作る技術・時間が必要だからです。
そんな黒漆喰磨きですが、最近は簡易な塗装に押されて施工されるケースは殆どなくなってしまったとのこと。
難しい仕上げだからこそ、左官職人にとっては是非チャレンジしたい、施工したいと思う仕上げでもあるのです。
今後も、大人たちがワクワクしながら「craftwork(手仕事)」の seeds(タネ)を探していきます。
これらの理想が現実に形となった時、この建物は「uniqueness(唯一性)」の輝きを放つことでしょう。
もしかしたら、この作り手の理想や情熱なんてものは買い手であるお施主さんには関係ないことなのかもれません。しかし、きっとその細部にいたるこだわりや配慮の積み重ねが全体のディテールを引き上げてくれるものと信じています。
何よりも、このワクワクを共有してくださる住まい手の方々と出会えることを今から楽しみにしています。
そんな、ここに関わる方々との「cooperative(協調的)」をここに実現したと切に願っています。