『コーポラティブハウスの管理はオーダーメードが必須』
八重洲マンション管理士事務所代表(※2019年1月よりstylelaboに参画。)
永井 和也 (Kazuya Nagai)
[profile]
マンション管理士資格取得後、大手マンション管理会社に就職。
マンション管理組合の担当者としての経験を経て、マンション管理士としての活動に至る。
[プロローグ]
今回、stylelaboがプロデュースする「根津のコーポラティブハウス」では、今まで「あるようで、なかった」サービスを付加しようと考えております。それは、プロジェクトの計画段階から「マンション管理士」さんに介入いただくことでジャストフィットな管理体制を構築するといったサービスです。詳細はインタビュー内でご紹介しますが、唯一無二のデザイン性を持つコーポラティブハウスの建物情報を十分に加味したオーダーメイド管理体制を提供できるといったものです。
[ interview story ]
簡単に申し上げると、マンション管理のコンサルタントとして、主に管理組合から依頼を受けて、マンション管理に関する様々な支援業務をおこないます。
具体的な業務としては、マンション管理組合の運営、大規模修繕等を含む建物構造上の技術的問題、その他区分所有者などの相談に応じ、助言やコンサルティングになります。
竣工したときが最高の建物、コミュニティというこではなく、経年による変化やコミュニティの熟成によって唯一の建物が出来上がっていくことはコーポラティブハウスならではの特徴であると捉えています。
一方で、その特殊性(良い意味での)が一般的なお客さんや不動産屋さんに伝わり切っていないイメージを持っています。マンション管理士としての視点から言えば、管理体制に不安を感じる部分が多少あります。コーポラの特徴として、建物の構造や用途に、住人の趣向が色濃く反映されますので「雛形」では補いきれない部分の「使用方法」や「費用負担」などのルールをきちんと定めておく必要性があると考えています。
そう思います。
一般的なコーポラティブハウスの企画会社では、「コーポラ(テラスハウス)」であってもマンション向けの標準的管理規約をほとんどそのままで提案してくることが多いと思います。それでは、マンションのように共用部分のない「テラスハウス」では実態にそぐわないルールになりかねません。
今回の様に建物が建つ前の段階(建築計画)から介入することで、施工者側との情報共有(躯体の材質、設計方法など)が可能となり、建物のスペックや実情に合った長期修繕計画の作成や、入居者の意向にあったルール作りのお手伝いができると考えています。
stylelaboさんが企画するコーポラティブハウスでは、建物完成後のバックアップ体制が大きく違うと捉えています。
前述のとおり、専門家のバックアップのもと、住人全員が納得できるルール(管理規約を)をつくっても、それが継続的に守られないのでは、まったく意味がありません。
例えば、管理費の滞納や、騒音被害などの問題が発生した場合は、もちろん管理の主体である、住人全員で構成する管理組合(場合によっては理事長)で対応することが大原則となります。しかしながら、現実的に同じ建物内に住んでいる住人同士で注意することはなかなか難しいことです。そこにマンション管理士のような専門家が介入することで、円滑な問題解決や理事長のサポートなどが可能となります。これだけでも、心的な負担軽減になるのではないでしょうか。
心地よい住まいと心地よいコミュニティを維持するためにも、建物完成後の管理組合への支援体制があることは重要なことです。ここが他の売りっぱなしのコーポラティブハウスの企画会社とスタイルラボさんの大きな違いだと思います。
スタイルラボさんのコーポラティブハウスの特徴として、ハード面だけではなく、わたしたちのような管理の専門家が、建築の検討段階から深く携わることで、より住人の方にとって末永く住まえる住宅づくりのお手伝いができると考えています。
[まとめ]
stylelaboがプロデュースする『コーポラティブハウス』の管理体制の特徴と仕掛け。
1)オーダーメイド管理規約等の作成
2)住み始めてから(竣工後)のバックアップ体制
3)建物の仕様に見合った中長期的な修繕計画の作成